先日塾の偏差値がわからない、という話題をSNSでお見掛けし
「中学の偏差値、色々すぎてわからない!どういう意味だよ!なんで塾ごとにちがうんだよ!」と悪態をついていた日々を懐かしく思い出しました😄
私も娘が塾に行き始めたころ、
・なんで塾や模試によって中学校の偏差値が違うの?
・80偏差値と50偏差値ってなんじゃらほい?
・普段のテストの偏差値と中学校の偏差値のどれとを比べたらいいのさ?
など全くわからず、だれか説明して!と思っていたものです。
そうなんですね。なので今日は中学受験の偏差値について書いてみます。でも私専門家でも教育者でもないですからね。中受を経験したおばちゃんとの立ち話程度にご参考くださいな(笑)。
偏差値とは
まずは偏差値そのもの自体について理解する必要があります。そんなの知っとるわい!という方は飛ばしてください。
偏差値でわかること
偏差値とは、そのテストを受けた人のなかで自分がどのポジションにいるのかを示すものです。平均点が偏差値50になるようになっていて、平均点以上なら偏差値は50以上になります。
たとえば、算数と国語は150点満点で理科と社会は100点など、教科ごとに満点の点数が違っていても、偏差値を見れば、集団のなかで自分がどのくらいの位置にいるのかがわかります。
順位でもわかるんじゃないの?
はい、順位も確かに一つの指標になります。しかし同点の人がたくさんいると、1位でない限り、何番目に高い得点をとったのかは、すぐにはわかりません。調べればわかるけどね。
つまりこういうことです。
自分の得点が点数的には2位だったとします。しかし1位の人がたくさんいると、2番目に高い点を取っても順位は1位の人の人数の次の順位になりますよね。例えば100点とった人が50人いれば、99点の人は点数で言うと2番なのに、順位は51位になってしまいます。
塾のテストのように受験する人数が多いテストでは、単純に順位をみても自分の立ち位置がわかりづらくなるのです。そこで偏差値です。
偏差値なら、得点や順位に関係なく、そのテストを受けた人のなかで自分がどのあたりに位置するのかがわかるのです。
偏差値はどうやってだすのか
まずは偏差値の計算方法です。
偏差値=(自分の得点-平均点)÷標準偏差×10+50
偏差値は平均点と標準偏差つまり得点のばらつきが関係します。
教科によって難度が違っていた場合、「算数の点数は国語より低いのに、偏差値は国語より高い」というようなことも起こりえます。みんなの出来が悪く、平均点が低ければ低い点数でも偏差値は上がります。
またテストを受けた人の得点のばらつき(標準偏差)が大きい時と小さい時では、同じ得点でさらに平均点も同じでも偏差値は変わってきます。
AというテストとBというテストをうけて、どちらも平均点も同じで、自分の得点も同じだったとします。しかしAのテストは受けた人全体が平均点付近に固まっていて、Bのテストは高い点の人も低い点の人もいたとします。
その場合、平均点付近の点を取った人が多いテストAのほうが、平均点集団から抜け出すのが難しいテストとみなされ、Aのテストで集団から抜け出した価値は、ばらつきが大きいBよりも高く評価されるようになっています。
ですので、平均点も得点も同じでも偏差値はAのテストのほうが高く出ます。
標準偏差の2倍平均点より高い点をとると、偏差値は70になるそうです。
実は偏差値の計算は結構複雑らしく、私には深いところまでは説明できないのでこれくらいにしておきます😅
こちらでとても分かりやすく説明されているので紹介させていただきます。
偏差値70は上位何パーセント?
実は偏差値って計算上は100とかマイナスの数値もでるらしいですよ!
ですが、通常テストで出る偏差値は大体30~70くらいに分布しています。
で、偏差値70ってどのくらいすごいの?
偏差値70だと上位約2.3%です。反対に偏差値30は下位2.3%になります。
偏差値60は上位約16%で偏差値40は下位16%。
偏差値50は50%ですね。
真ん中になるほど急に多くなります。ボリュームゾーンです。偏差値50あたりにいる人は、みんな学力が似通っていて多数いますから、1点の重みがすごくなってきます。
でも、中学受験の偏差値50、いや40でも、そもそも母集団のレベルが高いですから、とても優秀なんですよ!中学受験しない子のほうが全国的には多いのですから。
中学校の偏差値なんで塾ごとに違うの?
サピックス偏差値とか四谷大塚偏差値とか日能研偏差値とか首都模試偏差値とかなんで色々あるの?
それですよね~。初めて中学受験を経験するというご家庭の場合は、なにこれ?どれ見たらいいの?ってなりますよね。
うちだけですか?
それぞれの塾の模試が基準
そもそも中学校の偏差値は、その塾主催の模試の偏差値を基準に設定されています。
つまり、サピックスの偏差値はある学校に合格した子がサピックスオープン模試でどれくらいの偏差値だったかという実績です。
四谷大塚も、合不合テストが基準になっています。入試が終わったあと、その年その学校に合格した子が6年生の時の模試でどれくらいの偏差値だったのかを示しています。
だから塾によって数値が変わってくるのです。サピックスのように難関校志望者が多い塾の場合、母集団の成績が優秀になるため偏差値は低めに出てしまいます。あくまでサピックスオープンを受けた子の中での立ち位置になります。
四谷大塚は準拠塾も含め非常に受験者が多く、データとしては信用性が高いと思われます。我が家が最初に早稲アカを選んだのはこれも理由の一つです。情報を求めた、ということです。幅広いレベルの生徒さんがいるので、ばらつきは大きくなります。
首都模試になってくると、公立中高一貫校志望者や、中堅校以下を受ける子も広く受験する半面、超難関校を受験する子は問題の難易度からも、標準偏差の観点からもあまり参考にならないため、受験しない子も多く、偏差値は普段の塾の偏差値より高めに出たりします。
つまり色々あるけど、自分の受けた模試の塾がだしている学校偏差値と比べるってことね。
そういうこと!
-
-
【塾選び】サピックスと早稲アカを比べてみた(テスト編)
今回は【塾選び】サピックスと早稲アカの比較表の④テストについて、書いてみます。テストの後でクラス編成がされるので、順番を入れ替えてテストについて先に書きます。 早稲アカ 予習の塾 サピックス 復習 ...
続きを見る
塾が出す偏差値の違いが大きい学校
中学校の偏差値が塾によって大きく異なる学校もあります。
例えば
開成はサピックスでは67 四谷大塚では71です。
差は4ポイントまあまあですが
渋々はサピックス58、四谷大塚66 なんとその差8ポイント。
本郷中に至ってはサピックス49、四谷大塚59 と10ポイントも開きがあります。
女子校ですと
女子学院はサピックス61 四谷大塚70
吉祥女子はサピックス52 四谷大塚61 9ポイント違います。
立教女学院は、サピックス48 四谷大塚61 なんと!13ポイントも違いました( ゚Д゚)
サピックス生どんだけ優秀なんですか!
ここで、上の吉祥女子と立教女学院をみると、四谷大塚ではどちらも偏差値61です。なのに、サピックスの偏差値だと二つの学校に4ポイントも差があります。
サピックスの偏差値が低めに出ることは上で述べましたが、それならどの学校も同じ感じに高くなったり低くなったりするんじゃないの~??と思いきや、ある塾では同じ偏差値だと言っている学校が別の塾では結構偏差値に開きがあるという。
ますます謎が深まります。
さらには、四谷大塚や日能研の偏差値で順位がが入れ替わったりもするケースもあり・・・。
これはどうとらえればいいのでしょう。学習する内容が向いているとか?
塾がやっている学校別クラスで得手不得手があるとか?
もうそこらへんは想像するしかないです。それくらい偏差値なんていい加減なものなんです。
だって、合格者の過去の模試の成績をみてこのくらいと決めているのですから。模試だって6年生になってから何回もありますからね。学力はどんどん伸びていくのですよ。その時にどんな成績だった子が合格してますっていわれても、そうなんだぁぐらいに受け取っておけばいいのです!
80偏差値 50偏差値 って?
80偏差値、50偏差値っていうのを見たことあると思います。
これも何のことなのか、塾に通い始めたころはさっぱりわかりませんでした。
とりあえず80みときゃいんじゃないの?
私もそう思って意味も分からず80偏差値をみていましたね。ふふ。
80偏差値とは、この模試でこの偏差値をとっていた子の80%はこの学校に合格しましたよ🌸ということです。
同様に
50偏差値は、この模試でこの偏差値をとっていた子の50%がこの学校に合格しましたよ🌸ということです。
例えば、早稲田中学校の四谷大塚の80偏差値は64、50偏差値は60です。
合不合判定模試での自分の偏差値が仮に60だとして、
80偏差値64には足りていないから無理かぁ、と思いますよね。
でも50偏差値をみると60です。とうことは偏差値60の子の半分が早稲田中学に合格できているのです。
半分の子が合格できるってすごくないですか?!それなら、模試での偏差値は届いていなくても志望校の対策をすれば十分に可能性はあります。
80偏差値のほうが間違いないからと、そちらばかりをみてていると、この可能性に気づけずもったいないことになってしまうかもしれません。
偏差値の使い方
さて、では偏差値をどう捉えたらいいでしょうか。
偏差値なんていい加減って言わなかった?
言っちゃってました?でもデータとしていい加減なものというわけではないです。単純に偏差値だけでは合否は占えないという意味です。
上にも書きましたが、塾が出している学校偏差値は、過去の受験生が6年当時どのくらいの偏差値だったかという情報にすぎません。そして自分の偏差値はそのテストでの集団の中の立ち位置をしますもの。
そこを理解して使えばいいのです。
同学年の中の自分の立ち位置を知る
それでも、入試は資格試験のように合格点を取ったら合格ではありません。結局ほかの子より高い点をとったら合格するのです。
だから単に数値をみて上がった下がったで済ますのではなく、全体の分布も見つつ、そこから読み取れる事実をしっかりと受け止めることが大切です。
とかいう私も、娘の偏差値が上がった下がったって一喜一憂していた人ですが😄💦
もっと言うなら、偏差値よりもどの問題ができなかったか、ということを把握するほうがよっぽど大事なんですよね。
わが子の偏差値の上下で一喜一憂し、志望校に偏差値が足りなくて焦っていたいとき、この本を読んで本当に救われました。すごくおすすめ!
塾テストの偏差値
普段の塾のテストの偏差値も同様です。そのテストを受けた人のなかでの自分のポジションを示しています。(しつこいですか?)
つまり、単純にそのテストでの結果でしかない。だから志望校の偏差値と比べて悩む必要はありません!
逆に4,5年生の段階では現在の偏差値が志望校に足りているから大丈夫とも、全然届いていないから絶望とも言えないのです。だからと言って低くていいとは言いませんよ😅
塾のテストでは、偏差値よりどの単元が手薄になっているか、正答率の高い問題で自分が間違えた問題はどれか、そこを確認して一つ一つ手当していくというやり方がいいと思います。
むしろ志望校を決めるとき偏差値は見なくていい!と言ってしまいましょう。自分の成績を上げていけばいいのですから。
模試の偏差値
模試は塾でやってきた勉強をどれだけしっかりおさえているかを測るような問題になっています(志望校別模試は別)。もちろんすべて完璧にカバーできているのがベストですが、入試問題ではそこまでする必要もない、というか、志望校の傾向に合わせて勉強したほうがよっぽど効率的です。そういうこともあって、入試では大番狂わせも起こるのです。
模試の偏差値で志望校の合格可能性を測る場合は、
・複数回の模試の偏差値の平均をだす。
・50偏差値もみる。
志望校の偏差値と比べたうえで、あとどのくらい頑張るべきかを考えればいいのです。
やるべきことは、テストの内容と志望校の傾向から考えます。偏差値10くらい足りてなくても合格する子はいますよ!最後の模試が終了してから入試当日までの1か月でも学力は伸びるといわれていますし。
自分の持ち偏差値と志望校の偏差値の隔たりに絶望しそうになった時、参考にした本です。こちらもおすすめ!
まとめ
・偏差値は集団中の自分の立ち位置がわかるもの
・塾ごとに学校の偏差値が違うのは、母集団も問題も異なるから
・80偏差値はその偏差値をとっていた子の8割が合格したという意味
・4、5年生の段階では志望校を偏差値であきらめなくていい