先日、群馬県安中市の地層から見つかったイルカの化石が、マイルカ科としては世界最古となる1130万年前の新種だとわかった、というニュースがありましたね🐬
しかも!この化石、なんと20年前にアマチュア発掘家の中島一さんが20年以上前に発見したものだったそうです😲
群馬県!そしてアマチュア!
これは、相沢忠洋の流れ?!!
とゾクゾクしちゃいました。
さて、中学受験といえば時事問題も扱われます。6年生は冬まで気を抜かずに日ごろからニュースに関心をもつようにしましょう。
今日は時事問題が中学入試問題でどんなふうに扱われているかについて書いてみます。
それにしても、相沢忠洋氏が当時専門家ではなかったということで全く相手にされなかったのに、あきらめずに方々の学者に説明しに歩き回ってくれたおかげで、現在、日本にも旧石器時代があったことが当たり前のように認識されているのですねぇ。
こんな重大な発見を成し遂げて、一躍スターになったのかと思いきや、当時の学術界は地位やお金のある人が独占しており、相沢氏の存在をなかったかのように扱ったそうです😢歴史の本や伝記では成功談としてしか語られませんが、人間の差別意識やねたみ、恐ろしいです。そして悲しいです。
しかし、どちらも考古学への熱い思いが導いた大発見!ビバ群馬!
中学入試問題における時事問題
塾では10月ごろになると、時事問題を扱ったテキストを購入するように促されます。どんどん増える、教材地獄。我が家でも言われるままに、2冊も購入してしましました😂
しかもうちは6年後期は塾の理社をとるのを辞めたので、ほとんど使ってなーい😂
いつごろまでのニュースが扱われるのか
塾の時事問題のテキストがリリースされるのは秋ごろです。なるべく直近までに起こったことを盛り込みたいためギリギリの発売になっているのですが、実際のところ入試問題ではいつ頃までの出来事を扱うのでしょうか。
ズバリ、間に合う限り直近の出来事まで!です。
問題の印刷とかいろいろ時間がかかるのに?
ふむふむ。そうですよね。
入試問題を作成するのも大変な作業ですから、先生方も時間をかけて準備するでしょう。印刷など準備期間も勘案すれば、それほどギリギリのニュースは出ないだろうと。12月くらいまでだろうというというのが、一般的なところでありました。
しかしです、2019年の雙葉中学校の理科の問題には「チバニアン」が出題されました。チバニアンは千葉県市原市の地球磁場逆転期の地層です。2020年1月に日本の地層として初めて国際地質科学連合に認定された、とニュースになりました。
1月のニュースも盛り込んできた!とちょっとした衝撃でありました。
雙葉中学校の場合、募集人数が100名と少な目です。それゆえ可能だったのかもしれませんが、基本的にどの中学校も世の中のことにも関心を持っている子を求めていますので、これは❗と思う出来事があればギリギリ可能な範囲(1月半ば)まで入ってくると思っていてよさそうです。
どんなふうに出題されるのか
時事問題が取り上げられるのは理科や社会です。税率が変わったりすると算数も可能性はありますが。
時事問題なんてむずかしそう・・・。
小学生にニュースの内容とか、難しそうでドキドキしちゃいますよね。小学生新聞をとって、テキストも買ったし、時事問題対策やらなきゃ!と気合を入れて臨まないといけないのか、というと、
そうでもないです。
話題づくりな役割
というのは時事問題自体についての知識を問う問題というのは、あまり出ないからです。難関校に多い傾向ですが、リード文を長めにつくり、その中にいろんな題材を盛り込んで幅広く問うてくるような問題が出されます。
リード文というのは、ほぼ話題作り、みたいな感じでたとえば、台風で大きな被害が出た年だと、台風を話題に文が始まり、台風つながりで天気図の問題に誘導したり、社会なら被害のあった地域の問題を出したり、という連想ゲーム的に展開していく場合が多いのです。
時事問題そのものについて問われる問題はあっても1,2問。比重は大きくない、ということです。次に例を挙げて説明します。
2020年開成中の入試問題
例えば、2020年の開成中学校の社会の問題には、消費増税が取り上げられました。
消費税率アップという話題から、税率の改正には立法機関である国会、それによって得られる増収分の使い道を考えたり予算案を作ったり政策を実行するのは行政機関である内閣、それらに憲法違反がある場合は裁判所、さらには参議院選挙、日本国憲法と、この消費増税の話題から展開していきます。
結局時事トピックとしての消費増税について直接的な問題は、「軽減税率」を答えさせる問題のみであとは一般的な内容でした。
つまり普通に公民の勉強をしておけば大丈夫なレベルなのです。
2020年雙葉中の入試問題
もう一つ、雙葉中学の2020年の理科の問題をあげます。
2019年はNASAのアポロ11号が人類で初めての月面着陸してから50年という話題で問題が始まります。昨年の夏はニール・アームストロング船長の顔写真が子供新聞の表紙にバーンとでていましたっけ。
この問題、この文のあと月食や日食といった問題が展開され、アポロ11号については全く問われません。最後に月から見た皆既日食は地球から見た皆既日食とどう違うか、という問題が出ていますが、これも特にアポロ11号とは関係ないですよね。そしてこういう問題、娘が勉強中に何かの問題集で見たことがあるので、中学受験用の対策として一般的に扱われているようです。
塾ではわざわざ教材を用意して時事問題に取り組む時間があり、宿題にも出されていましたが、普段常識の範囲内で世の中の出来事に関心を持っていれば、それほど困ることはないと思います。
2021年の出題予想
今年度はどんな問題がでそうかな?
気になりますよね。でもまだ夏です。上にも書いたようにこれから出てくる話題も取り上げられる可能性が十分あります。
新型コロナウィルス感染症
関心度の大きさでいえば、なんといっても人類の転換期!パラダイムシフトを起こしたといってもいい状況を引き起こした、「新型コロナウィルス感染症」でしょうね。
もしコロナ関係で出すとすれば、
社会なら
感染症→北里柴三郎→新紙幣 とか
感染症→医療→社会保障制度 とか
感染症→医学→蘭学者 とか
理科なら
感染症→細菌→微生物→分解者 とか
そんな感じに派生していくかもしれません。
豪雨被害
最近は環境変動から豪雨などの災害に見舞われることが多いですよね。今年の梅雨も九州地方を始め広い範囲に大きな被害をもたらしました。被災地の方の一刻も早い復旧復興を願ってやみません。
台風ではなく梅雨の時期の豪雨ということで、本当に驚きましたが、過去にも豪雨や地震で大きな被害があった年には時事問題として取り上げられることがありました。
梅雨であれば、日本の特徴的な気候です。独特な天気図や、雨温図、6月ということで夏至、などいろんな観点から出題が可能です。
まとめ
・時事問題はそれ自体に関する知識をを入試問題で問われることは少ない。
・その話題から派生した問題を展開していくことが多い。
・常識的な範囲で押さえておけば心配なし。
娘が受験生だったころは、時事問題もできなければダメ!と塾から言われ、どんな難しい問題が出るのか戦々恐々としていました。しかし実際時事問題として問われる問題はとても少なく、そのために時間を割くのは勿体ないかもしれません。
時事問題があるからこそ、どんな分野が出されるかちょっと予想がたったりしてむしろありがたかったりもします。山を張るような受験生はいらっしゃらないでしょうけどね😅
中学の先生も、時事問題に関してものすごく専門的な知識を求めているわけではないのです。常識的な範囲で普段ニュースなどに関心をもっておいてほしい、という程度と理解して大丈夫だと思います。
ところで、マイルカの化石は、安中市の地層から見つかったことから「ノリスデルフィス アンナカエンシス」と命名されたそうですよ。安中榛名駅、北陸新幹線の駅で唯一の新幹線単独駅です🚅
6月には兵庫で世界最小の恐竜の卵が発見されるなど、考古学界が熱いですね!